思い返すと、それはいつも雨の日の満月だった。
わたしの感情が、もうどうにも抑えきれず
ひとりきりの車内でわたしはいつも大粒の涙を流すのである。
こんな大粒の涙なんて、そうそう流れることもない。
しかし雨の日の満月の夜だけは特別。
その日だけは、信じられないほど涙を流すのだ。
悲しみや苦しみ、悔しさに奥歯を噛み締めているにも関わらず、
全身を巡る血液や脳みそが
沸騰しそうなほど煮えくりかえっているにも関わらず、
わたしは安堵する。
これは浄化の雨だ。
わたしの中の煮えたぎったものすべて
この雨と共に流れ去っていくのだろう。
何度も何度も見上げる
雨の中の満月を探しながら
ありがとう、と。
足あと
愛を込めて
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